篠原一: 「電脳日本語論」
, 作品社, 2003年3月
以前にも感想文を書いたのだが、移転のときにデータをどこかにやってしまった。 思い出してまとめてみる。
辞書はユーザが育てるもの
(P.122)
というのが旧来の常識であった。
しかしATOKでは辞書作りに力を入れ、
購入時点で十分に賢く、育てなくてもいいようなものができた。
それを象徴的に表現しているのが次の文である。
紙の国語辞書に、購入者が新語を書きこむための白紙のページはない。
(P.122)
長所即欠点という言葉もあるように、 システム辞書の完成度と、ユーザ辞書の使いやすさが反比例している。 ATOKでは単語を登録したり、ユーザ辞書を管理したりするのが、 とても使いにくかった。 (僕が使ったのはATOK7,9,10だけだから、最近は改善されたかもしれない)
この辺は、
という2種類の哲学に対応しているのかもしれない。 ユーザ辞書を細かく管理したいとか、 自分の専門分野で使う単語をいろいろ登録したいかとか、 送り仮名や「ら抜き言葉」、変換するかしないかなどを細かく指定したい人は、 最初からATOKの想定するユーザではないのだろう。